ジョブ型雇用とは?日本企業で取り入れられ始めた新たな働き方とは?

ビジネススキル

2020年頃からテレワークが多くの企業で取り入れられるととも、日本企業での働き方に関しては大きく変わってきました。

私も会社に通勤して、社内で働くといったこれまでの常識から、在宅勤務を行う機会も増えてきました。

ですが、この2020年から「働く」ということについて、単に働く環境の変化があっただけではなく、

働き方・キャリアの考え方

についても個人や企業の中でも変化しつつあります。

その働き方について、昨今では「ジョブ型雇用」という働き方を取り入れる企業が現れ、注目を集めています。

今回の記事では、

この「ジョブ型雇用」とは何か?

これまでの働き方との違いやメリット・デメリット

について、調べた内容を解説していくとともに、

これからのキャリア形成に求められることを、これまで2回転職を行ったことのある私自身の経験も踏まえて解説していきます。

今後のキャリアに悩んでいる方の参考になれば幸いです!

ジョブ型雇用とは?これまでの働き方と何が違うの?

ジョブ型雇用とは、一定の職種で働く内容や条件を明確にし、その範囲内で働く仕組みのことです。

このジョブ型雇用で求められることとして、

「決められて範囲内の業務をきちんとこなすこと」

ということが挙げられます。

ジョブ型雇用は日本ではあまりなじみがないですが、欧米ではジョブ型雇用が一般的です。

日立製作所では2022年7月頃から全社員を対象にジョブ型雇用を広げていくことを公表しています。

日立製作所、全社員ジョブ型に 社外にも必要スキル公表: 日本経済新聞 (nikkei.com)

日本企業全体では、パーソル総合研究所の調査にて、調査対象企業740社のうち18%がすでにジョブ型雇用を導入しているという結果も発表されています。

出典:パーソル総合研究所 ジョブ型人事制度に関する企業実態調査 – パーソル総合研究所 (persol-group.co.jp)

導入済み、導入を検討していると回答している企業を含めると57.6%にも及ぶことから、今後ジョブ型雇用を取り入れる企業も増加することが考えられます。

日本で主流のメンバーシップ型雇用とは?ジョブ型雇用との違いは?

ジョブ型雇用が導入される以前より、日本企業では「メンバーシップ型雇用」という働き方が主流であり、現在でもこの形式で雇用契約を結ぶことが多いです。

このメンバーシップ型雇用とは、仕事の範囲を明確にせず、働き手の能力に応じて職種の幅を広げたリしていく働き方です。

就活時代に経験した新卒一括採用や日本では長い間定着している就寝雇用といったものが該当してきます。

では、ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用とでは何が違うのでしょうか?

大きくは3つの違いがあります。

①:働き手に対する「仕事の与え方」が違う

②:報酬の考え方が違う。

③:職種や職務を変える異動や配置の方法が違う。

中でも、決定的に違うがあるのが、③の異動や配置転換を行う方法が違うという点です。

メンバーシップ型の場合、個人の能力に応じて企業内の部署や職務への異動が可能となります。ですが、ジョブ型雇用の場合は働き手の能力が高い、もしくは現在のポジション以上に価値発揮できる職種があったとしても、それを理由に異動先や配置転換先の職務やポストを増やすことはできません。

ジョブ型雇用の場合、職務やポストに空きが発生した場合に、異動や昇格といった配置転換ができるようになります。

ジョブ型雇用のメリット・デメリット

ジョブ型雇用が注目を浴び、取り入れる企業も増えてきていますが、ジョブ型雇用のメリットとデメリットはどんなことがあるのでしょうか?

まずはメリットから見ていきましょう。

ジョブ型雇用のメリット

①:即戦力となる人材を確保しやすい

ジョブ型雇用では特定の業務に関する能力やスキルに対して企業は報酬を支払うこととなります。そのため、企業としても人材採用時に求めるスキルや要件をあらかじめ明確にすることができます。

よって、採用した人材もはじめから育成するわけではないので、即戦力となるまでの期間を最低限に抑えることができ、企業には大きなメリットとなります。

②:専門性の高いスキルを持った人材を育成できる

ジョブ型雇用は年齢や勤続年数に応じた評価でなく、アウトプットを生み出す能力に応じて評価される面があります。

そのため、人材育成の際にも特定のスキルに特化して育成を行うことができます。

③:社員の働きやすい環境づくりを行いやすい

ジョブ型雇用で働く社員は特定の業務の内容に応じてアウトプットを生み出し、評価をもらいます。そのため、自身の業務範囲外での業務負担は軽くなる傾向にあります。

雇用条件にもよりますが、時短勤務や週休3日制などを活用しながら働くことも可能となります。

④:テレワークや在宅勤務といった働き方に合わせやすい

ジョブ型雇用は成果主義の傾向が強いという特徴があります。テレワークや在宅勤務では、当事者の働いている状況を管理しづらいというデメリットがありますが、ジョブ型雇用での成果主義を取り入れることで、社員それぞれに対して公平な評価を行うことができます。

ジョブ型雇用のデメリット

①:人事異動による転勤や配置展開が難しい

ジョブ型雇用では専門スキルに対する職務や特定の業務に対して雇用契約を交わします。

そのため原則として、当初指定した職務や業務以外への転勤や配置転換を行うことができないという制約があり、ジョブ型雇用の社員を人事異動することが難しくなります。

②:広範囲にわたっての社員育成が難しい

ジョブ型雇用はあらかじめ特定のスキルに対する職務や業務を社員に行ってもらうため、広範囲に渡ってのスキル育成や経験学習が難しくなります。

逆にメンバーシップ型では「総合職」としての位置づけであるため、広範囲のスキル育成を行いやすいです。

③:人材の入れ替わりが激しい

特定の業務や職務が短期間で完結してしまった場合、ぞの社員を他の業務へ活用しづらくなります。そのため、社員も働きがいを見いだせず、他社へ引き抜かれたり、転職を行う恐れがあるため、人材流動性や離職率が高まる懸念があります。

④:企業に対する帰属意識が低くなる

ジョブ型雇用の社員の場合、企業理念や企業のミッションに対してではなく、自身の与えられた業務へのミッションが主となります。

そのため、企業や属するチーム内での助け合いの意識や職員満足度(ES)が高まりづらく、企業への帰属意識も低くなる場合があります。

2回の転職を経て「ジョブ型雇用」をどのように捉えるべきか?

私自身、これまでに2回の転職を行っています。

新卒時代には証券会社。

1回目の転職では医療系会社。

2回目では人材派遣会社。

職種は3社それぞれ多いに異なりますが、それぞれの働き方の中で共通していた部分として、「コンサルタント職」を経験させていただいておりました。

そのため、視点を変えてみてみると転職は繰り返してきたものの、「誰か(顧客)の抱える問題を解決するための仕事」という特定の職務を一貫して行ってきました。

そうした経験から見ると、ジョブ型雇用でのキャリア形成というのは魅力に感じる点はあります。

なぜなら、コンサルタント職という特定の職種でのスキルアップとともにキャリア形成を行えるというメリットがあるからです。

上記はあくまでもこれまでの私の職歴からの考えですが、いずれにしても、

 ・特定の専門的分野やスキルを得意としている。

 ・特定の専門分野、スキルを扱ったキャリア形成を望んでいる。

こうした価値観を持つ方にとってはジョブ型雇用の働き方はまさに適正があるのではないかと思います。

逆に、

 ・幅広く職務経験を歩んでキャリア形成を行いたい。

 ・新卒、もしくは社会人となってまだ間もない。

そういった方にとってはメンバーシップ型雇用の方が適しているかと思います。

なぜなら、ジョブ型雇用の場合、自分のキャリア形成を方向転換したいと思ったとしても、その方向転換が簡単には行えないデメリットがあるからです。

ジョブ型雇用という働き方にはメリットは確かにありますが、自身のキャリアをどうしたいのか?、自分自身の強みや弱みとなるスキルは何かを明らかにし、そのうえでキャリア形成を行う上で「ジョブ型雇用」という働き方を選択することが重要であると思います。

まとめ

今回はジョブ型雇用について取り上げました。日本企業の中でも取り入れている企業が増えているとはいっても、デメリットがあることも確かです。

現代社会では、テレワークや副業といったように働き方が刻一刻と変化している状況ではありますが、自分自身のキャリア形成、また転職や就職活動などを控える方々にとって今回の記事を参考いただければ幸いです。

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